院長コラム

2020.06.03

手術を再開します

 自粛生活の5月が終わり、ようやく緊急事態宣言も解除されました。生活が元に戻ったわけではありませんが、少しずつ活動の範囲を広げることができそうです。学校も再開し、やや街に活気が戻ったような印象もありますが、ウイルスとの共棲(存)は継続します。第2波、第3波がやってくれば再び緊急事態宣言が出るかもしれません。
そう考えるとすべてをもとの生活に戻すことは難しいです。
ただ当院では、手術室で行う手術を中止していましたが、内視鏡で行う耳の手術は再開いたします。鼓膜を閉鎖する外来での手術(鼓膜穿孔閉鎖術)は5月から行っていましたが、経外耳道的内視鏡下耳科手術(TEESといわれる耳の穴から行う手術も再開いたします。鼓膜形成だけでなく、伝音連鎖再建という耳小骨の連鎖再建を必要とする手術も行います。
今まで受診を控えておられた方もどうぞ受診してください。
聞こえをよくしたい方、耳だれがたびたび出るのを止めたい方など、CTやパッチテストなどによる検査の後、手術適応を決定させていただきます。今からであれば7月以降で日程をお取りできると思います。初診から3回程度の受診で手術にたどりつけます。
ただし術前2週間は出歩かず、熱を測定していただき新型コロナウイルス感染の可能性をチェックいたします。場合によっては直前で延期とさせていただく可能性もあります。
何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします。

2020.05.08

オンライン診療

 GWが終わりましたが、皆様は自宅で過ごされましたでしょうか。
至る所でステイホームが連呼され、予想通り緊急事態宣言が延長されました。
大阪府では新規感染者数がかなり減少を続け、そろそろ自粛施設の再開が期待されていましたが、確固とした収束が見えていないためやむを得ないといったところでしょうか。
そこで「大阪モデル」という数値化した自粛解除の3条件が公表されました。
(1)新規陽性者におけるリンク不明者数が10人未満
(2)確定診断検査における陽性率7%未満
(3)患者受入重症病床使用率60%未満
の3項目が1週間以上達成できれば段階的に自粛を解除していくとなっています。来週には解除の糸口が見えますでしょうか。
新型コロナウイルス感染を敬遠してクリニックなど医療機関への受診控えも多くなっている様子です。
当院では舌下免疫療法継続者アレルギー性鼻炎投薬希望者にはオンラインでの診療を行っています。問診票によるやりとりの後、ビデオ通話を通じての診察を受けていただき、クレジットカードで決済を行い、処方箋を郵送します。
オンライン診療に興味のある方は一度受付まで連絡をお願いいたします。
耳鼻咽喉科という科の性質上オンラインでできない内容のほうが圧倒的に多いので、そのあたりをご理解いただきたいと思います。

2020.04.06

COVID -19拡大中

新年度が始まりましたが、新型コロナウイルス感染の拡大がさらに広がり収束する様子は見られません。
報道でもあったように感染すると先行して嗅覚味覚障害がおこることが特徴とされています。ただ嗅覚味覚障害を起こす疾患は他にもあり、日本耳鼻咽喉科学会からの通達によりますと、他の症状として咳や咽頭痛・発熱などの症状がなければ自宅で2週間程度様子を見ていただき、改善がなければ一度お問い合わせください。
4日以上続く発熱・咳・息苦しさ・だるさなどがあれば帰国者・接触者相談センター(072-841-1253)にご相談ください。大阪府も相談窓口(06-6944-8197)を設置して土日祝日も対応しています。いずれも「風邪の症状や37.5℃前後の発熱が4日以上続いている」「強いだるさや息苦しさがある」が相談対象の症状となります。
新型コロナウイルス感染の可能性があれば帰国者・接触者外来を紹介されます。週末は自粛要請がかかっています。不要不急の外出は控えましょう。
3つの密を避けましょう。
1.喚起の悪い密閉空間 2.多数が集まる密集場所 3.間近で会話や発声をする密接場所を避けましょう。3つの条件が揃うとクラスター発生リスクが高くなります。
自分自身を感染から守るためにも、また他人にうつさないためにもご配慮のほどよろしくお願いいたします。

2020.03.11

新型コロナウイルス

3月も中旬になり気温も上がり始めていますが、世の中はコロナウイルス一色といった感でしょうか。
例年は花粉情報でこのコラムもまとめるところですが、今のところスギ花粉も飛散は少なく症状は出るものの重症度は高くない方が多いようです。インフルエンザの方も少なく、コロナウイルスの感染を心配して受診しない方も多くいるのではないでしょうか。
小中高の休校措置以来外を歩く人も少なくなっているようです。電車など乗り物もかなり空いているのではないでしょうか。さてどのように感染を防ぐかはマスコミですでに報じられているように、人が集まるところに行かない、必要のない外出は控える、必要な場合も人が集中する時間帯を避ける、手が届くような位置関係で人と長時間接しない、帰宅後はこまめに長い時間をかけて手を洗う、人の近くに行くときはマスクをする、換気の悪いところに長い時間とどまらない、などでしょうか。

発症後の症状等正確な情報が伝わってこないため感染後に関しては未知の世界です。とにかく感染するような機会を減らして毎日生活していくことが、政府の求める自粛であり、この自粛もまだ継続されそうなので、今の耐乏生活を続けて政府の次の策を待ちたいと思います。
自粛が効いてピークが早く終わることを祈っております。

2020.02.05

鼓膜穿孔治療剤リティンパ

立春も過ぎ梅も見ごろとなってきましたが、世間は新型肺炎の話題一色となっています。やはりマスクをして人ごみの中に入らないこと、頻回に手洗いをすることに留意ください。

今月の話題は昨年12月に発売されました鼓膜穿孔治療剤リティンパという薬です。滲出性中耳炎のチューブ脱落後の鼓膜穿孔や外傷による残った鼓膜穿孔、慢性中耳炎で鼓膜穿孔のみ残っている場合などが適応になります。外来局所麻酔での手術になります。
手順はまず鼓膜麻酔液を浸した綿花を鼓膜穿孔にあてて局所麻酔をします。鼓膜穿孔の周りを傷をつけて鼓膜の再生を促すために新しい傷口を作ります。そこにリティンパに付属しているトラフェルミンという薬に浸したゼラチンスポンジを適当な大きさに切って新しい傷口に詰め込みます。その上から組織接着剤で固定して終了となります。
手術時間は麻酔の15分を除いて20分から30分程度です。
1週間後と1ヶ月に再診して術後経過を観察します。1ヶ月後の所見で問題なければ穿孔閉鎖が確認できます。
当院では発売直後より、リティンパを使用した鼓膜穿孔閉鎖術を行っておりますので、鼓膜に穴がありお困りの方は是非一度ご相談ください。
手術費用は3割負担の方で18,000円程度ですが、その他の検査が必要になることがあります。この手術の適応になるかどうかは、まず一度診察をお受けください。

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