院長コラム

2022.09.06

オミクロン株と咳

9月に入っても蒸し暑い日が続いています。ごく短時間の集中豪雨や落雷・突風など急な天気の変化も最近では珍しくなくなってきています。温暖化による亜熱帯化でしょうか。

新型コロナウイルスの感染がようやく減少しかけているようですが、それでもまだまだ少なくなったとは言えない数の感染者数です。各地でいろいろな行事ごとの再開があり、大勢の人が集まるような機会も増えてきているようですし、マスクを外しての会食も増加しているのではないでしょうか。7月下旬から8月にかけての感染者がかなり多く、自宅での療養が終了した後に、咳が続いているような方が良く受診されます。一度治まった後でも再度咳が激しくなっているケースにも良く遭遇します。

オミクロン株の感染では、声門下喉頭の炎症が起こりますので、ふつうの咳止めでは止まりにくいようです。やはり吸入ステロイド(ICS)が必要です。ICSを使用することで、個人差はありますが、およそ2週間程度で軽快することがわかっています。感染後、のどの痛みや咳に悩まされている方は一度耳鼻科を受診していただき、喉頭の所見を診てもらって投薬を受けてください。吸入により咳症状等の緩和が見込まれます。

副鼻腔炎の続発も見受けられますので、我慢せずに受診していただくことをお勧めいたします。

2022.08.08

酷暑と第7波

7月下旬から酷暑とコロナ感染者数の爆発的な増加が続いていましたが、8月2週目に入り高止まりした状態が継続しています。かなり身近な感染の状況と言えます。
成人で咽頭痛・全身倦怠感などの症状があり、声門下喉頭(声帯より深いところの喉の奥)に炎症所見のある場合、熱があってもなくてもPCR検査をお願いするのですが、全例陽性となっています。検査状況も逼迫しているため抗原検査になることもあるのですが、やはり陽性が出ます。

皆様がどこで感染をしてもおかしくない状況と言えます。家族内感染も多く感染回避はかなり困難ですが、大勢で集まることや会食、換気のない場所での集団行動などはぜひ避けていただきたいです。また有効性については議論もありますが、3,4回目のワクチン接種も受けていただくことが望ましいと考えます。発熱後すぐの抗原検査で陰性であってもコロナ未感染である信憑性は低いと思われます。検出率も悪いためその後にPCR陽性となっているケースが大変多いようです。早い段階での抗原検査陰性はコロナ陰性ではありません。

尚、当院は8月14日(日)から21日(日)まで夏休みになります。

薬の必要な方は受診をよろしくお願いいたします。ご理解の程よろしくお願いいたします。

2022.07.02

猛暑とコロナウイルス

7月に入りました。すでに短い梅雨は開けていて猛暑が続いています。それでいて保育園児にはRSウイルス、アデノウイルスなどが検出されています。昨年・一昨年とほぼみることのなかった急性中耳炎も増えています。一時はかなり減少していたコロナウイルスもPCR検査を紹介すれば陽性が出ています。統計でも再度増加に転じているようです。

今のコロナウイルスは、咽頭痛・声がれ・咳(あったりなかったり)・倦怠感・微熱(ないことも)などの症状の方で、喉頭の内視鏡所見では声門下と言って声帯の下のほうの喉頭の中から気管にかけて発赤と浮腫が認められます。これらの症状のあるかたはコロナウイルスの感染を疑いできるだけ複数回の抗原検査やPCR検査を受けてください。1回で検出できないことはよくあります。1週間かけてやっと出ることもあります。普通に戻りかけた生活を続けるためにも検査をぜひお願いいたします。
上記の症状はステロイドの吸入や内服により2週間程度で軽快することがほとんどです。重症化することは少ないようですが、確定診断を受けてください。

尚、当院の夏休み8月14日(日)から8月21日(日)の1週間です。
毎日暑さが厳しいですが、水分・栄養・睡眠を十分にとり免疫力を落とさないようにご注意ください。

2022.06.07

学校健診

6月に入りそろそろ梅雨の季節の到来です。寝屋川市・枚方市では小中学校の耳鼻科健診が終了しています。
最も多くの子供がもらっているのが「耳垢栓塞」です。「耳垢栓塞」とはこれが病気という意味ではなく、鼓膜を正確に観察できなかったということです。ひょっとして鼓膜に穴が開いているかもしれない、水が溜まっているかもしれないということです。プール授業の前にぜひ一度異常のないことを確認するために耳鼻科を受診してください。

次に多いのが「鼻炎」「アレルギー性鼻炎」です。「鼻炎」は副鼻腔炎の可能性や鼻前庭の炎症やアレルギーの可能性も含んだ病名です。これらを鑑別するために、さらに治療につなげるために一度血液検査やレントゲンを含め精密検査が必要になる場合があります。「アレルギー性鼻炎」もこれまでにアレルゲンを調べられたことがなければこの機会にアレルゲンを知って治療が必要になる季節やタイミングを知っておくことが望ましいでしょう。

「副鼻腔炎」もたまに指摘があります。「副鼻腔炎」に対しての治療は多変重要ですので、必ず受診してください。また、聴力検査だけでも用紙を渡される場合があります。この場合も標準純音聴力検査だけで診断がつく場合と、他覚的な検査を必要とする場合がありますので、診断が確定するまでは通院をしてください。時に2次医療機関へ紹介をすることもあります。
いずれも自己判断ではなく、かかりつけ医の診断に従ってください。プール前に必ず受診の程よろしくお願いいたします。

2022.05.09

イネ科花粉症

晴天に恵まれた行動制限のないGWも終わりました。

ヒノキ花粉は4月前半でほぼ終息を迎え同時にイネ科花粉が断続的に飛散し続けています。少し早めの飛散のようです。この地域では、ここからだらだらと梅雨入りぐらいまで症状出現につながる量の飛散があります。飛散距離は500メートル程度と言われています。淀川河川敷を中心に飛散がありますので、できるだけイネ科花粉症の方は散歩や通勤など別の道を選んでいただき近づかないようにすることが花粉症にならない方法の一つです。

イネ科の植物は、カモガヤ、オオアワガエリに代表される黄色い花をつける雑草です。身近に目にすることができます。またこの時期に河川敷でスポーツをされる方は、特に注意が必要です。朝症状がなくても、先に対策を打つ必要があります。先に抗アレルギー薬を内服して、ステロイド鼻噴霧をしていただき、抗アレルギー薬の点眼を入れて出かける必要があります。
眼症状の強い方はさらにステロイド点眼を持参したほうがベターでしょう。このような対策をしたうえでスポーツに参加して出る症状を最小限にするのが良いでしょう。もちろん日によってはそれでも症状が出現します。その場合は継続的な治療が必要ですので、一度受診し、ご相談ください。

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 20