院長コラム

2025.06.03

学校健診

6月に入りそろそろ梅雨入りしそうな気候ですが、例年に比べ過ごしやすい日々が続いています。
例年この時期になりますと学校健診が終わり用紙をもらって帰ってくる子供もいるのではないでしょうか。その中で「耳垢栓塞」は最も多いものですが、病気としての意味はなく、たまった耳垢によって鼓膜の確認が取れなかった場合につけられている病名です。中には滲出性中耳炎や鼓膜に穴のある慢性中耳炎、まれに真珠腫性中耳炎が隠れていることがありますので、プール前には必ず耳鼻科で診察を受けて病気が隠れていないか確認をお願いいたします。鼓膜の穴からプールの水が入って中耳炎を悪化させてしまうことがないように注意をしてください。
また健診に先立ち聴力検査を受ける学年があります。聴力検査「要精査」となった場合は、必ず難聴があるわけではなく、聴力検査を行った環境から擬陽性となり難聴が疑われる場合や機能性難聴または心因性難聴という本来は周囲の人たちと会話ができますが、検査上難聴の区分に入るようなケースも少なくありません。またこれらの検査上は異常なくても言葉の聞き取りが困難である聞き取り障害LiD/APD)といった病気もあり、専門の医療機関での確定診断が必要になります。
放置せずに一度ご相談に受診ください。

2025.05.08

イネ科花粉症と舌下免疫療法

GWが終わりました。スギ花粉は4月上旬に、ヒノキ花粉は4月下旬に飛散終了しています。
現在花粉症状が出ている人は、イネ科花粉による症状です。4月中旬からスギヒノキ花粉ほどの飛散量はありませんが、ダラダラと梅雨入りまで続きます。カモガヤオオアワガエリの抗体を持っていて生活圏の中に河川敷の含まれている方は確実に症状が出ますので対策として、通勤・通学または犬の散歩経路を変更するか、不可能なら抗アレルギー剤を飲み続けるかです。
スギヒノキ花粉のように一気に大量飛散することはないので、毎日薬を飲んでいれば症状の出現は抑えられます。
アレルギー症状であるかどうかはっきりしない方は早めの受診をお勧めいたします。血液検査にて確定診断を行います。普通梅雨入りまでの内服で十分ですが、重症の方は梅雨明けまで継続してください。7月下旬ごろまで症状が続きます。特に河川敷でスポーツをする子供たちは7月下旬ごろを目安にしてください。
スギヒノキで痛い目にあった方は、舌下免疫療法を始めますので、通常の予約枠ではなく、舌下免疫初回枠を電話にて予約してください。朝840分から10時ごろまでかかりますが、説明と初回投与と30分の経過観察後の帰宅となりますので余裕のある時を予約してください。
よろしくお願いいたします。

2025.04.04

スギ花粉からヒノキ花粉へ

新年度の始まりです。朝夕は少し肌寒く気温上昇もまだ少ないようですが、どこも桜は満開のようです。見ごろは今週末まででしょうか。同時にスギ花粉も収束気味のようです。
226日に飛散開始日となり徐々に増え始め313日に1100/日のピークを迎え、その後徐々に減少して0個の日が現れました。変わってヒノキの花粉が飛散を始め、321日が飛散開始日となっています。43日は430/と今のところピークとなっています。(茨木保健所データより抜粋)
今後どれくらいの飛散をするでしょうか。まだこれで終わるとは思えませんので、皆様油断せずにお過ごしください。持っている抗ヒスタミン剤の内服薬を毎日服用していただいて、鼻噴霧ステロイド薬を出勤、登校前に点鼻していただき、抗アレルギー点眼薬を点眼してから外出してください。決して症状出現後にするものではありません。症状出現前にしておくものですのでご注意ください。もちろんマスクやメガネ、帽子などは有効ですので是非お使いください。それでも症状がひどくなる方は我慢せずに受診してください。症状を緩和する処方をいたします。
スギ・ヒノキ花粉症の方は4月の間は予防策を継続してください。

なおスギ舌下免疫療法をご希望の方はGW終了後に治療を始めますので、受付までご連絡ください。

2025.03.05

スギ花粉飛散始まる

3月になりました。少し暖かい日がありましたが、相変わらず寒波が来ています。

スギ花粉はというと、226日に花粉飛散日となっています。雨も降りましたが、33日が40個程度の飛散がありました。スギ花粉症の方は無防備では、症状が出てしまいますので特に症状の出ていない段階から内服を毎日服用していただき、なおかつ鼻噴霧ステロイドを点鼻して、抗アレルギー薬の点眼を毎朝、家を出る前に行ってください。帰宅前にも点眼をしてください。薬の入った状態で外出するようにすることが大切です。一度発作が出てしまうと花粉の飛散が少なくてもすぐに反応するようになります。
アレルギー反応の反応閾値を下げない(簡単に反応するようにならない)ためにも症状出現前からの服薬が重要と言われています。事前の服用でも症状が出現するほどの飛散量があったなら再度受診してください。重症時の対策もありますので我慢しないでこの時期を乗り切りましょう。貼付製材や抗IgE抗体製剤、一時的なステロイド投与なども行いますので、いつでもご相談ください。

この2週間がスギ花粉の山場です。避けることもお考え下さい。メガネやマスク、帽子などは大変有効です。ウール素材のアウターは避けましょう。化繊の素材のものが有効です。
お気をつけてお過ごしください。

2025.02.04

スギ花粉症予防

立春が過ぎ暦の上では春が訪れるはずですが、実際は最大の寒波がやってくるようです。まだ1週間は真冬のままのようです。

今年のスギ花粉症は花粉の飛散量が多いと予想されています。花粉症の方はそれなりの対策が必要です。先日大阪府の保健所でも花粉の飛散個数の観測が始まりましたが、まだ0個のままです。1㎠あたり連続して1個以上観測されれば花粉飛散開始日となります。まだ2週間程度先ではないかと考えています。
予防的に治療を始める初期療法は2月15日から開始してください。それまでに用意した抗アレルギー薬、鼻噴霧ステロイド剤、抗アレルギー点眼薬をすべて215日から開始してください。もちろん何の症状がなくてもすべて始めてください。先に体の中に薬剤が入り、花粉の吸入を行っても発作が起きないようにしておくことが肝要です。

皆様の中には症状が出たら飲む、点鼻する、目薬をさすと考えている方が多いように思います。それでは花粉量が少なくてもアレルギー反応を起こしてしまうという閾値の低下を招きますのでくれぐれも受け取った花粉症の薬はおいておかずに服薬してください。まだ手元にない方は早く薬を取りに診察に来てください。あと10日ほどしかありません。ご注意ください。

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