院長コラム

2023.10.04

のどの不調

10月に入りやっと過ごしやすくなってきました。就寝時のエアコンも要らなくなり、猛暑の夏の疲れを早く取りたいものです。
今年の夏は「のどの痰の絡み」を訴えて受診される方が多く目立ちました。年齢は若い方から高齢者まで様々です。実際に診察してみますと喉には痰はなく、咽頭・喉頭に異常な所見を認めないことがほとんどです。もちろん副鼻腔炎から後鼻漏をきたしてそれが痰のもとになっていることもあります。この場合は副鼻腔炎の治療をすればいいわけです。後鼻漏もなく、下咽頭に唾液のようなものが付着しているだけの方が多く、おそらくエアコンによる乾燥から「痰が多くなり絡んだような感覚」に陥っていることが想像されました。
主な要因は部屋の乾燥と夏による水分不足です。就寝時のエアコンが必要なくなることでこのような症状はなくなることが予想されます。水分はまだまだ必要ですのでできるだけたくさん摂っていただく必要があります。ウィズコロナの時代はのどの不調を訴える方が多く、喉頭を観察することが必要になっています。
この場合は耳鼻科で内視鏡検査をする必要がありますので受診の程お願いいたします。
11月2日(木)から4日(土)まで日本耳科学会のため休診いたしますのでご注意ください。

2023.09.12

インフルエンザ流行

9月も中旬に入りましたが、まだまだ暑い日々が続いています。
2学期が始まって感染の機会が増えたせいか、新型コロナウイルス第9波は収まる気配を見せていません。その上インフルエンザが流行の兆しを見せています。枚方市ではいくつかの小中学校で学級閉鎖が起こっています。インフルエンザによるものもあればコロナによるものもあります。インフルエンザはすべてA型であり、コロナによるより熱発は高めです。38度以上のことが多く、40度になっていることもあります。いわゆる風邪症状は目立たず、鼻水、頭痛、倦怠感、悪寒などです。
例年のように咳や咽頭痛がはっきりしている例は少ないようです。まだワクチンも始まっていないこの時期でどうのように終息するのか不明です。ただ抗インフルエンザ薬が効きますのでこのことは安心材料です。今の流行している新型コロナウイルスの株では、どうも嗅覚味覚障害を引き起こしている方が多く、発症後1~2週間は全くと言っていいほど嗅覚がなくなります。
自然にも回復しますが、3週間目で50%程度回復していなければ、症状が残る可能性もあり何らかの治療を受けたほうがいいかもしれません。保育園児も含めればコロナ、インフルだけでなくいろいろな感染症が併存していますので、酷暑の疲労もあり免疫が落ちていると感染しやすいですので十分にご注意ください。

2023.08.09

加齢性難聴と補聴器

7月後半から8月にかけて酷暑が続いています。皆様、熱中症にはくれぐれもご注意ください。

相変わらずコロナの方の受診が多いのですが、それ以外の難聴やめまい等耳の不調の方も以前のように受診されるようになってきました。外に出る機会も増えてきて人との会話に支障をきたすことに気づき受診されています。

加齢性の難聴であれば、薬や手術では治りませんので補聴器を適合させることになります。補聴器に対して最初から拒絶心があるような方も多く、スムーズに導入していくことに困難を伴うことも少なくありません。あまりにも難聴が進んでしまってから補聴器を使い始めるとすぐに聞こえるようなると思っておられる方がほとんどでご自分の予想を裏切ることになります。あまりにも難聴が進んでしまっていると脳が長らく音を聞いておらず、すぐに音が届いても言葉が聞こえないということになります。
補聴器を使い始めることが脳のリトレーニングの始まりですので、徐々に聞き取れるようになるのを待つことになります。とにかく雑音でもなんでも聞いていただいて脳が言葉を聞き取れるようになるのを目指します。ちなみに難聴は認知症の最大の危険因子です。難聴の進んだ方は認知も始まっているようなことも珍しくありません。
早めに補聴器の適合を進め認知症になることを防ぎましょう。

さて8月13日(日)から20日(日)まで夏休みとなります。ご理解の程よろしくお願いいたします。

2023.07.07

第9波到来

7月に入り梅雨明け待ち遠しい毎日ですが、猛暑もやってきています。これだけ猛暑にも関わらず新型コロナは第9波に入っているようです。

明らかに5月の制限解除後、どこへ行っても人出が多くマスクをしていない方も増えつつあるようです。それに伴い当院を受診される患者さんにも咽頭痛、咳、声がれの症状と発熱、倦怠感を訴える方が増えているようです。抗原検査で陽性となる方も増加しています。さらにこのような症状が低年齢化しているようです。10歳以下の子供にも同様の症状を訴える子が多くなっています。咽頭痛の原因は喉頭の声帯の下のほうの声門下喉頭炎です。普通に舌圧子で「あーん」とのどを見るだけでは診断することはできません。
間接喉頭鏡という鏡や、ファイバースコープでしか診断できません。今のどが痛いと聞けば、普通に咽頭炎を疑うような方はほとんどおらず、喉頭を見に行く必要があります。そのため診察に時間がかかりお待たせすることも多くなっています。咽頭痛、咳、声がれがあり発熱がない方も非常に多く陽性には出ないもののコロナを疑う方は随分多いように思います。

やはり飛沫感染を最も疑いますので、人が集まるところに行かれる際にはマスクをしていただくことをお勧めいたします。もちろん当院内では必ずマスク着用をお願いいたします。

2023.06.06

学校健診

梅雨の6月に入っております。そろそろ各校とも学校健診が終了し、健診用紙を持ったお子様がちらほら受診されています。

子供たちの中で特に多い病名が「耳垢栓塞」です。
耳垢が詰まることが病気かと言うとそうではなく、耳垢が外耳の中に詰まっていて鼓膜が見えないので、鼓膜が正常かどうかの判断ができないということをあらわしています。したがってお家で耳垢を取って終わりということではなくその向こうの鼓膜に異常がないか検査を受ける必要があります。さらに受診されるのは当然プール授業の前にする必要があります。
「慢性穿孔性中耳炎」で鼓膜に穴が開いていて耳だれが出ているかもしれません。「滲出性中耳炎」で挿入された鼓膜チューブが抜けて穴が残っているかもしれません。そのような状態でプールに入ってトラブルが起こる前に耳の状態をチェックすることに意味がありますので、くれぐれも、貰ってきた健診用紙をご自分の都合で冬まで放置する(翌年に用紙を持って受診されることも珍しくありません)ことのないようお願いいたします。

ついでの受診する病気が発症するまで待たないでください。「副鼻腔炎」「鼻炎」もほとんどが急性疾患ですので速やかに受診していただくことが望ましいです。
何卒よろしくお願いいたします。

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 23