院長コラム

2020.09.11

加齢性難聴と補聴器

 9月も中旬にさしかかり、朝夕の暑さもようやく和らいだようです。秋の気配をあちこちに感じるようになってきました。今年の秋の連休は敬老に日と秋分の日が連続し3連休となっています。

敬老の日には毎年難聴が話題になっています。年齢とともに聴力の悪化が進み、高齢者では高音に聞き取りにくさを感じるようになります。加齢性難聴です。そうなると言葉の聞き取り、聞き分けが困難になり徐々に音のない世界に引きこもることとなります。高齢者では聴力障害の変化は徐々に進行し本人の気づかない間に音の少ない世界に暮らすこととなります。周囲の家族や知人が気づいて病院に連れて行かれた時には随分難聴が進行していることも珍しくありません。したがって会社での健康診断がなくなる60歳以降では、ご自分で毎年聴力の検査を受けていただくことが必要になります。ご自分が聞こえにくいと感じた時にはすでに手遅れのことが多いですので、自覚症状がなくても一度耳鼻科での精密な聴力検査が必要です。場合によっては手術で改善する聴力もあります。難聴の程度によっては補聴器の適応となることもあります。その時は補聴器店とのやり取りも含め耳鼻科での検査が必要になりますので、速やかに受診してください。標準純音聴力検査、語音聴力検査にて補聴器適応かどうか判定し、お近くの補聴器店にご紹介いたします。

認定補聴器店では、まずは補聴器の試聴のための貸し出しを行いますので、日常生活の中でご使用いただいてフィッティングと調整を行いベストの状態を作ります。その後にご購入を決めていただければ結構です。貸し出し中も音場検査にて補聴器装用効果を検査いたします。
ご自分の聞こえに少しでも疑問を持たれたなら、すぐに受診いただき聴力の検査を受けていただくことが望ましいです。