院長コラム

2022.10.06

鼓膜再生療法

10月に入って1週間が過ぎ、ようやく気温も下がり秋の気配がしてきました。
新型コロナウイルスの感染者の減少とともに受診される方が徐々に増加しているようです。社会活動が活発になり本来の姿に戻りつつあります。

その中で最近特に多いのが、鼓膜穿孔の方です。鼓膜穿孔治療剤であるリティンパ®を使用した鼓膜再生療法を希望して受診される方が多いようです。鼓膜再生療法は鼓膜の麻酔だけででき、外来で15~20分程度で終了する非常に負担の少ない手術方法です。鼓膜穿孔のある方すべてが対象になるわけではありません。
一度受診していただいて、鼓膜の正確な所見を確認後、聴力検査、側頭骨CT、パッチテスト等を行って適応を決定いたします。また活動性でない慢性中耳炎であることが重要です。それは手術をすることで耳漏が出たりするようであればトラフェルミンという線維芽細胞成長因子を含ませたゼラチンスポンジがすぐに流されてしまうからです。もちろん鼓膜再生療法の適応でなければ他の手術の適応となります。

当院では局所麻酔で行う日帰り内視鏡下耳科手術を行っております。
鼓膜穿孔、慢性中耳炎、中耳真珠腫の手術の希望のある方は一度受診してどのような手術の適応になるかの診断を受けてください。