院長コラム

2025.06.03

学校健診

6月に入りそろそろ梅雨入りしそうな気候ですが、例年に比べ過ごしやすい日々が続いています。
例年この時期になりますと学校健診が終わり用紙をもらって帰ってくる子供もいるのではないでしょうか。その中で「耳垢栓塞」は最も多いものですが、病気としての意味はなく、たまった耳垢によって鼓膜の確認が取れなかった場合につけられている病名です。中には滲出性中耳炎や鼓膜に穴のある慢性中耳炎、まれに真珠腫性中耳炎が隠れていることがありますので、プール前には必ず耳鼻科で診察を受けて病気が隠れていないか確認をお願いいたします。鼓膜の穴からプールの水が入って中耳炎を悪化させてしまうことがないように注意をしてください。
また健診に先立ち聴力検査を受ける学年があります。聴力検査「要精査」となった場合は、必ず難聴があるわけではなく、聴力検査を行った環境から擬陽性となり難聴が疑われる場合や機能性難聴または心因性難聴という本来は周囲の人たちと会話ができますが、検査上難聴の区分に入るようなケースも少なくありません。またこれらの検査上は異常なくても言葉の聞き取りが困難である聞き取り障害LiD/APD)といった病気もあり、専門の医療機関での確定診断が必要になります。
放置せずに一度ご相談に受診ください。